【旭川の泌尿器科・人工透析センター】 医療法人恒貴会 「東光やわらぎ泌尿器科」 / 「神居やわらぎ泌尿器科」
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夜間頻尿とは
尿に関わる悩みの中で生活の質の低下させる頻度が多いのは夜間頻尿です。夜間排尿とは、夜間一回以上トイレに起き、辛く感じている状態をいいます。特に二回以上起きるとなると、煩わしいばかりか、疲れが残る、昼眠いなど生活の質の低下や転倒による骨折などのケガのリスクも高まります。たかが頻尿と思わず、対策 をとることが必要です。
加齢とともに増加する夜間頻尿
高齢者の夜間頻尿は、我慢できる膀胱の容量が減る(膀胱容量の低下)か、夜間の尿量が増える(夜間多尿)かのいずれかが関係し、睡眠障害を含めた複数の原因が影響します。
1. 膀胱容量の低下
膀胱容量の低下は、加齢により尿意を感じるセンサーが過敏になったり膀胱の筋肉が硬くなったりして、膀胱に尿がたまりづらくなることが原因です。
膀胱の容量低下の原因となる疾患
前立腺肥大症
高齢の男性では第一に前立腺肥大症を考える必要があります。 最新の薬は効果が優れており症状の改善が見込め、手術を必要とする方は減少しています。
過活動膀胱
男女ともに加齢により出現します。尿路に膀胱炎などの炎症や、結石、癌などの病気がないのに、我慢できないほどの急激な尿意が起こり、時に漏らしてしまう。この状態を尿意切迫感といいますが、過活動膀胱の特徴です。
間質性膀胱炎
膀胱炎といっても特殊な膀胱炎で、頻尿と排尿痛、尿が溜まった時の恥骨上の痛みもよく出現します。抗生剤などは効かず、ひどい方は日に50回以上の尿回数となります。なかなか診断がつかないこともあり、気になるある方は専門医で相談してください。
2. 夜間の尿量の増加
夜間の尿量の増加の原因となる要素
抗利尿ホルモンの分泌減少
若い時は夜間にトイレに起きなくてもいいよう、尿を濃縮して尿量を減らす抗利尿ホルモンが出ています。しかし高齢になるにつれ、その分泌が減少してしまうため、夜間の尿量が増えてしまうのです。
水分の過剰摂取
夜間多尿の原因は老化ですが、それを助長する要因の一つに水分の過剰摂取があります。脳梗塞や心筋梗塞などの予防として水分をたくさん摂るよう勧められ、もちろんそれは正しいことですが、過剰に摂りすぎる方をお見かけします。しかし過度の飲水はいわゆる血をサラサラにするという確証はなく、逆に夜間多尿の原因ともなります。
さらに、高血圧の薬の中には夜間多尿を助長する場合があります。また口渇の副作用が起きやすい薬もあり、そのせいで水分を過剰にとっていないかなど、注意が必要です。
■若い人で夜間の尿が1日の1/5、高齢者で1/3以上の場合
明らかに夜間多尿と判断されるケースは、若い方は24時間尿の5分の1以上ですが、高齢者では判断基準が やや甘く設定されており、24時間尿の3分の1以上で夜間多尿とされます。例えば高齢者で24時間尿が2000mlなら660ml以上が夜間多尿です。ご自分の24時間尿量や夜間尿の割合を知って、必要な場合は治療を行いましょう。
■夜間頻尿で困っている方へ
夜に何度もトイレに起きるのは辛いですよね。糖尿病や心不全など多尿の原因となる病気がないか、また、前立腺や膀胱に原因がないかを確認しましょう。次に自分の排尿状態を知ることが必要です。 一日の尿量や夜間尿量、膀胱の容量が低下していないか、弱い尿意でトイレに行くなどの排尿習慣がないかなどを検査し、夜間頻尿の原因を把握した上で、適切な生活指導や治療で夜間頻尿を克服していきましょう。一回でも減ると楽になりますよ。